登録基幹技術者
基幹技能者とは、国土交通省が1996(平成8)年に策定した「建設産業政策大綱」の中で提唱した新しい技能者像で、現場施工における十分な経験を有し、現場の実態に応じた施工方法を技術者に提案し、他の職長との調整を図り、現場の技能者に対して適切な指揮・統率を行っていく役割を担う資格者です。
2008(平成20)年4月からは建設業法施行規則の改正により、国土交通大臣認可による登録基幹技能者制度へと移行し、経営事項審査(経審)の加点対象の資格となりました。2018(平成30)年3月からは建設業法施行規則および施工技術検定規則の改正により、主任技術者の要件を満たす資格とされています。
最近では、建設生産物の品質・安全の確保、生産性の向上の観点から、登録基幹技能者の入札時の総合評価制度での加点や、建設現場への配置義務化を進める自治体・発注者が増えてきています。
登録基幹技能者に対する発注者・元請会社の評価は、今後ますます高まっていくものと思われます。
登録基幹技能者に対する発注者・元請会社の評価は、今後ますます高まっていくものと思われます。
2019(平成31)年3月31日現在、33の建設専門工事業職種で62,267名の登録基幹技能者が誕生、活躍しています。
登録基幹技能者の役割 ((C)基幹技能者制度推進協議会)
より詳しい登録基幹技能者制度の紹介
登録コンクリート圧送基幹技術者
コンクリート圧送基幹技能者は、コンクリート圧送作業に係る技術・技能だけでなく、コンクリート工事全般に対する施工管理能力、調整能力、指導能力、幅広い専門知識を有する者に与えられる資格で、2005(平成17)年に制定されました。2008(平成20)年からは、国土交通大臣の認可を受け、建設業法施行規則に定める登録基幹技能者制度へと移行しています。
コンクリート構造物の施工の中核を担う登録コンクリート圧送基幹技能者への評価は高く、土木学会の「コンクリート標準示方書(施工編)」や日本建築学会の「コンクリートポンプ施工指針・同解説」では、登録基幹技能者の配置とその指示の下で施工を行うこと、高度な技術を要する圧送作業においては登録基幹技能者と協議の上、圧送計画を作成することが明記されています。
2019(平成31)年3月現在、全国で851名の登録コンクリート圧送基幹技能者が活躍しています。
登録コンクリート圧送基幹技能者の活躍により、建設工事における技術提案、施工効率の向上、品質の確保、労働災害防止に大いに効果を発現できるものと期待しています。
登録コンクリート圧送基幹技能者の活躍により、建設工事における技術提案、施工効率の向上、品質の確保、労働災害防止に大いに効果を発現できるものと期待しています。
登録コンクリート圧送基幹技能者と関連職種との関係
登録コンクリート圧送基幹技能者の都道府県別人数(2019年12月現在 資料:全圧連)
北海道 | 青森 | 秋田 | 岩手 | 山形 | 宮城 | 福島 | 茨城 |
31 | 16 | 8 | 15 | 39 | 12 | 11 | 20 |
栃木 | 群馬 | 埼玉 | 千葉 | 東京 | 神奈川 | 新潟 | 富山 |
12 | 17 | 36 | 29 | 16 | 32 | 7 | 5 |
石川 | 福井 | 山梨 | 長野 | 岐阜 | 静岡 | 愛知 | 三重 |
5 | 10 | 10 | 7 | 44 | 36 | 58 | 34 |
滋賀 | 京都 | 大阪 | 兵庫 | 奈良 | 和歌山 | 岡山 | 鳥取 |
16 | 20 | 61 | 62 | 15 | 14 | 2 | 4 |
島根 | 広島 | 山口 | 徳島 | 香川 | 愛媛 | 高知 | 福岡 |
16 | 13 | 8 | 6 | 3 | 14 | 4 | 25 |
佐賀 | 長崎 | 熊本 | 大分 | 宮崎 | 鹿児島 | 沖縄 | 計 |
10 | 19 | 3 | 7 | 10 | 15 | 17 | 874 |
登録コンクリート圧送基幹技能者の役割
- 元請業者(技術者)との間で、現場状況に応じた施工方法等の提案、調整を行う
- コンクリート圧送に係る施工計画を策定する
- コンクリート圧送に係る技術的な管理を行う
- コンクリート圧送工事の作業手順を構成し、実施する
- 直接施工に携わる技能者(コンクリート圧送工)に対し、施工に係る指示・指導を行う
- コンクリートの品質確保や作業の円滑な遂行のため、他の専門工事業者(登録基幹技能者・職長等)、生コンクリート製造業者(生コン管理者)との間で、前工程・後工程に配慮した連絡・調整を行う
現在活躍している登録コンクリート圧送基幹技能者の紹介・データベース
登録コンクリート圧送基幹技術者になるには
登録講習の受講資格者
コンクリート圧送に従事し、次の3つの要件全てを満たす者。
(1)コンクリート圧送工事に関する実務経験が10年以上あること。
(2)1級コンクリート圧送施工技能士の資格を有すること。
(3)職長教育修了後の実務経験が3年以上であること。
(2)1級コンクリート圧送施工技能士の資格を有すること。
(3)職長教育修了後の実務経験が3年以上であること。
認定試験の受験資格者
上記の登録講習を修了した者。なお、登録講習を修了した者が試験を受けることができる期限は、認定講習を修了した年を含め3年以内とする。
登録講習・認定試験の実施時期・開催場所は、認定委員会により年度ごとに定められ、登録講習の実施日数は4日間とし、最終日に認定試験が実施されます。
登録講習修了後、認定試験に合格された方には「登録コンクリート圧送基幹技能者講習修了証」が交付されます。